泌尿器科健診で異常があった際に疑われる疾患

健診の結果、精密検査を目的として泌尿器科を受診する患者で最も多いのは、検尿で潜血尿、たんぱく尿、白血球尿が見つかったときで、次いで腹部超音波で腎臓や膀胱に異常が見られたとき、さらにはPSA(前立腺特異抗原)の上昇が続いています。

尿に先決が認められた場合、受診者の性別や年齢を問わずに精密検査を行う必要があります。導尿で採尿した新鮮尿で、潜血、たんぱく、糖、白血球を検査します。

腎臓の糸球体由来の血尿は、金平糖状、顆粒状の不定形を呈することが多いとされていることから、尿沈渣の顕微鏡検査では赤血球の形態も観察しなければなりません。

無症候性血尿と呼ばれる、ほかに痛みなどの症状を伴わない血尿は、潜血尿、肉眼的血尿を問わず全ての泌尿器科疾患の兆候と考えて検査を行います。肉眼的血尿であれば問診で諸尿、中間尿、終末尿血尿の区別が難しい場合は、実際に3杯に分けて採取してもらいます。

検尿で炎症による血尿でないことが判明したら、患者の負担が少ない細胞診、腎膀胱の超音波検査、尿路造影(IVP、CT)、膀胱鏡検査となります。尿路造影までは健診科で実施可能ですが放射線科診断医による読影は必須です。

膀胱の超音波検査で膀胱腫瘍などを調べる際は、膀胱壁の肥厚や凹凸、膀胱内に突出する前立腺を確認しやすくするため。膀胱に尿を充満させることが重要となります。

前立腺肥大症の診断は最近の健診の焦点の一つであるがんとの鑑別はエコーでは困難です。しかし、直腸診を併用して結節や硬結がないか、またPSAの測定が最も精度の高いスクリーニングであり、前立腺肥大症による下部尿路症状の症状を知るには国際前立腺症状スコアをつけてもらうなど、検診項目を加えることにより健診受診者の関心は増すと思われます。

無症候性血尿の精密検査は、尿細胞診、尿中腫瘍マーカーまでは健診医が容易に実施できますが、最近は、放射線科医の読影つきでCTによる尿路造影、MRIさらにはPETまでも専門に行うクリニックが都市部を中心に増えていることから利用価値は十分にあります。